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2014.12.29 ( Mon )

看護師の悩みの元、マニュアル型思考法


悩みを解消できる看護師同士

看護師は勤勉な職種だと言われるが、悩みが常に付きまとう過酷な職種ともいわれている。

専門性を高めるために、専門看護師や認定看護師の資格をとったり、診療情報管理士などダブルライセンスの取得を目指す看護師は多い。一方、経営参画を期待して看護師を副院長に採用する病院が増えるなど、病院内でも求められる役割は大きく変化している。

ここで期待されているのは、看護師としての知識の深さや広さだけでなく、看護師視点での現場に対する改善活動や経営貢献である。

つまり、「○○については××である」という既存知識の提供に終始せず、看護の専門性を活かし、困難な状況下における思考力、判断力のあるリーダーシップを期待されているのだ。以下に、思考力、判断力をどう身につけるのか?私の事例も含めて理解しやすく解説する。

看護師の思考パターン

リーダーシップを期待されることが、多くの看護師はこれを苦手とする。中堅の看護師が困難事例にぶつかった場合、どのような行動をとるかインタビューしたところ、次のような回答があった。

  • 先輩や同僚と話し合い、出た意見を自分なりにまとめて解決策を考えるが、うまくいかなければ仕方がないと諦める。
  • とりあえず、最低限の問題解決ができる範囲で解決策を立て実行する。その後は、さらなる改善や問題点を考え直したりはしない。そもそも忙しく、無理である。

このような思考や行動から、発生した解決困難な問題に対する看護師の思考パターンが見えてくる。

  1. 未経験のことや、知識のないことはわからない、解決できない。
    解決策は、自分の経験や知識の中にある。
  2. うまくいかなかったら諦める。
    解決策は、0か100である。

誰かに聞いたり何かを読んだりして、それを真似てやってみる。真似してうまくいかないと、途中で投げ出すことが多い。解決策は、何かを真似ることである。

悩みの多い看護師の特性

ここから、「答えを自分の知識や経験、あるいは他人に聞くことで導いており、自らが思考し答えを導き出すという習慣が弱い」という看護師の特性を見ることができる。

私も、初めて病院の経営改善プロジェクトに参加した際、知識や経験で答えを導こうとしていた。「現場はこうである」と答えを出したところ、プロジェクトリーダーに「なぜそう判断しているのか?」と問われ続けた。

私は、「ある病院でそうしていた」「本にそう書いてあった」「そんな経験をした」「現場ではこうやっている」などと答えるだけで、その背後にあるメカニズムを考える習慣がなかった。

つまり、知識や経験が多い看護師こそが、デキる看護師だと考えていたのである。しかし、複雑化した医療現場で起きている問題には、知識や経験の中に答えがあることは少ない。

今、看護師に求められるのは、「なぜ、そうなったのか?」「どう判断し、行動するのか?」を自ら思考することである。知識や経験があることが重要なのではなく、未解決の課題に対する深掘りの思考習慣こそが求められているのだ。

問題解決型思考の看護師になる

あなたにとって憧れの看護師とは、どんな人だろうか?深い思考に裏づけられた適切な判断力を持った人だろうか。冷静な判断と行動によってスタッフからの信頼が厚い人だろうか。

いずれにしても、教科書や過去の経験のみに依存せず、幅広く深い思考の中から適切な行動ができ、その言動に誰もが説得力を感じる人ではないだろうか。

デキる看護師とは

ここでは、「デキる看護師」とは、単に知識があるとか、経験が豊富ということではなく、深い思考により、誰もが納得できる方法、行動を導き出すことができる人と定義する。

知識技術の習得に力点が置かれる

多忙な看護業務の中では、「なぜそうなのか?」と背後にあるメカニズムや原因を深く思考するよりも、マニュアルやスケジュールに沿って時間内に業務をこなすことや、素早く答えを出し行動することが求められている。その習慣、悩みは、マニュアル型思考の看護師を増やすことにつながっていないか。

私たちは学生時代に看護学を学んだ時、「なぜそうなのか?」「なぜそうするのか?」と、その根拠を思考する大切さを学んだはずだ。

しかし現場に出ると、知識や技術の習得は自分で体験したり先輩から伝承されることが多く、次第に「××の場合は○○だ」というようなマニュアル型思考になっていく。それでも解決できない場合は他者からの答えや指示を待つようになり、少しずつ思考習慣のない看護師になってしまうのだ。

看護師は勤勉だと言われるが、知識技術の習得に力点が置かれる傾向にある。医療の進歩は早いので、知らないことが増えると不安にかられる。無知による不安を、新たな技術知識への追求で乗り切ろうとする。しかし本当に重要なのは、思考し答えを導き出す力である。

困難な問題に対して、初めから答えがわかっていることはほとんどない。そもそも答えが簡単に導き出せるなら、問題にはなっていないはずである。現場で起きている問題を自己で悩まず「どう思考し、どう行動して解決するか」を導き出す能力(問題解決型思考)が必要とされている。

問題解決型思考とは?

問題解決型思考は、チーム内でリーダーシップを発揮する際にも必要である。また、チームの問題を解決することは、ひいては看護の質の向上につながり、それが経営への貢献となる。

近年、看護師の経営貢献が期待されているが、現場では「どう貢献すればよいのかわからない」「金儲けのために医療を行っているのではない」など、ネガティブな意見が多く聞かれる。しかし、同じ医療を行っていながら、黒字の病院、赤字の病院があるのはなぜなのか。

黒字、赤字というアウトプットは、我々が行っている医療の結果である。ならば、その結果を生むメカニズムを改善することが、看護師としての経営貢献につながるはずである。

まとめ

看護師は、医療従事者の中でも圧倒的大多数を誇り、患者への直接的ケアにおいて主要な役割を果たしている。経営というと、在院日数や病床利用率などの数値をイメージするかもしれないが、それは実践した医療の結果である。つまり、24時間の看護をどのように実践するかが経営につながっている。

つまり、看護師が業務改善について悩み考え解決を導き出すことによって、大きな経営貢献が可能になるということだ。デキる看護師の思考法(問題解決型思考)を身につけ、忘れていた「思考する看護」を取り戻すことで、自分自身のレべルアップにもつながる。

私たちは、問題解決型思考を学んでこなかっただけである。これを学び実践することで、看護師として新たなー歩を踏み出そう。

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