2016.04.19 ( Tue )

看護師を辞めたい!免許取得後の実践的教育


看護研修を受けなければ看護師を辞めざる得ない

新人看護師は、毎年約50,000人が養成され、そのうち38,000人が就業している(日本看護協会 2005)。看護基礎教育においては、看護学生が入職後できるだけスムーズに医療現場に適応できるように、看護実践能力の修得に向けての努力がなされている。

しかしながら現代の社会情勢から見て、免許を取得する前の看護学生が臨地実習仁おいて学習できることには限界があり、新人看護師が医療現場で、求められる看護実践能力に応えることは困難である。

新人看護師の研修

そこで、病院にとくての課題は、患者にとって安全で安心できる看護を提供するために、いかにして新人看護師の臨床実践能力を向上させるかという点にある。そのため病院では、プリセプターシップの導入や新人看護師を対象とした研修等の取り組みがなされている。

こうした病院が抱える継続教育の問題について、厚生労働省は、医療安全の確保および臨床看護実践の質を向上させるという観点から、新人看護職員研修について取り組んできた。

到達すべき目標と指導体制

2003年「新人看護職員の臨床実践能力の向上に関する検討会」を発足させた。翌2004年に提示された報告書では、新人看護師の研修を充実・普及させていくよう広く関係者が積極的に取り組む必要があるとしている。

その中で、新人看護師の臨床実践能力向上のために1年間で到達すべき目標とその指導体制のあり方等が明らかにされた。

新人看護職員研修に関する取り組み

平成15年(2003)新たな看護のあり方に関する検討会 報告書

平成16年(2004)新人看護職員の臨床実践能力の向上に関する検討会報告書

平成17年(2005)医療安全の確保に向けた保健師助産師看護師法のあり方に関する検討会まとめ

平成19年 (2007) 看護基礎教育の充実に関する検討会報告書

平成20年 (2008) 看護基礎教育のあり方に関する懇談会論点整理

平成21年 (2009) 看護の質の向上と確保に関する検討会中間とりまとめ 新人看護職員研修に関する検討会中間まとめ

こうした新人看護職員研修の必要性が生じた背景には、看護基礎教育において看護学生が臨床における看護技術の習得機会およびその範囲が限定されていること、医療現場で求められる新人看護師の実践能カと看護基礎教育で習得する能力のま低下、それに伴う離職防止があった。

また、この報告によって全ての新人看護師が医療現場から求められる資質を確保できるようなしくみの構築に向けた検討を行うという方向性が示された。

看護師自ら進んで能力の開発・向上に努める

その後、保健師助産師看護師法の一部改正(2010年4月施行)により、「保健師、助産師、看護師及び准看護師は、免許を受けた後も、臨床研修その他の研修(保健師等再教育研修及び准看護師再教育研修を除く。)を受け、その資質の向上を図るように努めなけれぱならない」ことが明記された。

また、同時期の「看護師等の人材確保の促進に関する法律」の一都改正により、病院等の開設者は、新人看護職員研修の実施や看護職員が研修を受ける機会の確保のため、必要な配慮を行うよう努めなければならない、看護職員本人の責務として、免許取得後も研修を受けるなど、自ら進んで能力の開発・向上に努めることが示された。

新人看護職員研修ガイドライン

その目的は、新人看護職員が基本的な臨床実践能力を獲得するため、医療機関の機能や規模にかかわらず新人看護職員を迎える全ての医療機関で新人看護職員研修が実施される体制の整備を目指すところにある。ガイドラインの概要は、表2のとおりである(日本看護協会 2010)。

新人看護職員研修ガイドラインの基本的な考え方

新人看護職員研の理念

看護は人間の生命に深く関わる職業であり患者の生命、人格および人権を尊重することを基本とし、生涯にわたって研鎖されるぺきものである。新人看護職員研修は、看護実践の基礎を形成するものとして、重要な意義を有する。

新人看護職員を支えるためには、周囲のスタツフだけではなく、全職員が新人看護職員に関心をもち、皆で育てるという組織文化の醸成が重要である。この新人看護職員研修ガイドラインでは、新人看護職員を支援し、全職員がともに支え合い、成長することを目指す。

新人看護職員研修

新人看護職員を対象とした、医療機関で行れる研修である。新人看護職員には、集合研修、職場内教育(on the job training)を通して、看護に必要な知識、技術、態度を統合した実践的能力を獲得することを求められる。

この研修の成果には新人看護職員の主体的な学習が不可欠であるとともに、新人を指導する適切な指導者の育成と指導体制を整備することが重要である

実地指導導者の育成

実地指導者は新人看護職員に対して、臨床実践に関する実地指導、評価等を行う者である。看護職員として必要な基本的知識、技術、態度を有し、教育的指導ができる者であることが望ましい。

教育担当者者の育成

教育担当者は、看護部門の新人看護職員の勢育方針に基づいて、各部署で実施される研修の企画、運営を中心となって行う者で、実施指導者への助言および指導、また、新人看護職員へ指導、評価を行う役割を担う。

研修責任者

研修責任者は、施設および看護部門の教育方針に基づき、看護部長の責任の下に、新人看護職員研修に関する企画・運営・実施・評価のすべてに対して責任を負う。

研修計画、研修体制の評価

各医療機関の理念や基本方針に基づいた新人看護職員研修が実施できる体制の構築に責任をもつことが病院管理者、看護管理者には求められている。新人看護職員研修は、直接の指導者だけではなく、病棟スタッフが全員新人看護師を見守り、根気強く温かい支援制を組織として構築することが望ましい。

そのためには、新人看護師を周りで支えるためのさまざまな役割をもつ人員の体制づくりが必要である。

まとめ

こうしたガイドラインが出ても、全ての医療機関で実施できる体制が整っているわけではない。しかも研修環境や研修実施体制は施設規模により異なっている。

特に、小規模医療機関では、人的経済的資源の問題が大きく、外部研修への期待が大きい。研修を医療施設の規模の大きさにかかわらず、全ての医療機関の新人看護職員が研修を受けられるようにするためには、大規模施設のような他の医療機関や研修・教育機関などの外部組織を活用、複数医療機関が共同ミ研修を企画する等の工夫が必要である。

また、新人看護師を指導する専任指導者の配置や指導時間の確保、研修環境整備の充実が求められる。

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