2015.02.01 ( Sun )

准看護師と看護師になるための環境別コース5つ


準看護師制度について考える看護師

これまでにも、看護師になるコースにはいくつものコースがあると書いてきました。そこで、現時点でのコースを、なるべくわかりやすく説明します。

看護師という仕事は、2015年現在、中学校を卒業した人すべてに開かれています。

看護師になろうと思う人には、いろいろな経歴の人がいるでしょう。順を追って、中学を出た時点から、選びうるコースを説明していきます。

なお、看護師系の学校は、文部科学省と厚生労働省の管轄が入り組んでおり、養成所、学校などの種別が複雑で、正式な名称が、とてもわかりにくいのです。

ですからここでは、准看護師を養成する学校は「准看護師学校」、看護師になるための学校は「専門学校、短期大学、大学」として説明いたします。

准看護婦になるには准看護婦学校へ

中学校を出た時点で選べる看護系の学校は、准看護師学校と、高等学校衛生看護科です。

准看護師学校は二年制。卒業すると准看護師の資格が取れます。高等学校衛生看護科は三年制。卒業すると、准看護師と高校卒業の資格が同時に取れます。

准看護師学校を卒業すると、18歳になる年に准看護師として働き、看護職デビューが果たせます。つまり、一番若くして資格を持って働けるわけですね。

ただし、高校卒業の資格がないし、准看護師から看護師になるための看護学校2年課程、いわゆる、進学コーへの進学までに、3年以上の実務を積まなければなりません。

このように、中卒後すぐに准看護師学校に入った人と、普通高校を出てから准看護師学校に入った人は、その後、2年課程に入学可能になる年齢は、一緒になります。

准看護師が看護師資格を取るため

次に、高等学校衛生看護科の場合、卒業時点で高校卒業の資格がありますから、実務経験なしに、2年課程への進学が可能です。

また、高等学校衛生看護科(3年)に、准看護師が看護師資格を取るための専攻科(2年)をセットにした、「五年一貫看護師養成課程校」という学校もあり、いずれも中卒後5年、21歳になる年に看護師の資格が取れる、中卒後最短の道になっています。

看護師になるまでのケーススタディ

 

出典:日本看護協会

私のところには、看護師になりたいと思う人から問い合わせが来るのですが、中には中学生や、その親御さんから、「看護師になりたい希望は決まっているのだが、普通高校に進むか、衛生看護科に進むか迷っている」という相談があります。

これに対する私の答えはいつも同じで、高等学校普通科への進学を勧めています。

理由は、中学生の時の気持ちだけで、将来を決めるのは、やっぱり難しいと思うから、いろいろな選択肢を持っておくためには、普通科の方が良いのではないか。これが私の考えです。

確かに、最初に決めた通りに、事は運ぶかもしれません。看護師仲間の中には、それこそ幼い頃から看護師を志し、それが一度も揺らがなかった、という人もいます。

でもそれはあくまでも結果に過ぎないと思うのです。もし他のことをしたいと思った時、衛生看護科より普通科の方が、選択の幅が広いのではないでしようか。

また、准看護師学校について言うと、看護師を志すならば、やはり高校卒業程度の学力は必要です。准看護師学校に行くとしても、やはり高校を出てからにした方が良いでしよう。

看護師のように、高校卒業資格がなくても取れる資格は、今では珍しくなりました。例えば、昔は中学卒業でもなれた美容師、理容師も、今では資格を取るための学校に入るには高校卒業資格が必要になっています。

今後、看護師も同様の制限がつく可能性があり、実際、看護師を目指す人のほとんどは高校卒業資格を持っています。

先にお話ししたように、中学を卒業してすぐ准看護師学校に入ると、2年課程の看護専門学校への進学には、実務3年が必要になります。看護師になる年数は結局同じですから、わざわざ中学を出てすぐに進学する必要はないと思います。

なお、高校に行かなくても、大学入学資格検定(大検)により、高校卒業資格を取ることは可能です。高校を卒業せずに看護師を志す方は、ぜひご一考ください。

准看護師になるためには、大きな分かれ道がある

看護師になろうと決めた人がまず考えことは、専門学校、短期大学、大学のうち、どの学校に進むかでしよう。

けれどもその前に、看護師になるコースには、准看護師を経て看護師になるか、いきなり看護師になるかの二通りの道があります。これについても、理解した上で進路を決めましょう。

私が最もよく相談を受けるのは、「会社を辞めて看護師を目指そうと決めたのですが、経済的にも苦しい状態で目指すには、准看護師学校から進む方が良いでしょうか」というパターンです。

中には、「准看護師学校に行くしかないのですが、先々給料や昇進で差は出てきますか?」という切実な質問もあります。

准看護師の学費

まず、最初の質問については、どれだけ稼ぎたいかによって、答えは変わります。

自分ひとりの力で生活費まで稼ぎながら看護師になろうとするのであれば、准看護師学校から2年課程の定時制(3年)に進学するのが、最も長時間働けるでしょう。

ちなみに、もうひとつの道としては、3年課程の定時制(4年)があります。

これは日本で数校しかなく、一般的とは言い難いのが実情。したがって、なるべく多く稼いで看護師になりたいというのであれば、准看護師学校から進むしかないかもしれません。ただ、准看護師学校を含めて5年という期間は、意外と長いんですよ。

この年月を、働きながら学んでいくのは、想像以上に大変です。挫折する人も出てきます。ですから、多少の無理と工夫で何とかなるならば、3年課程の全日制(3年)いわゆる、レギュラーコースへの進学を強くお勧めします。

学費も私の時代よりは高くなりましたが、大学に比べて安いところも多いと思います。学校によっては、実習の時期以外は、バイトも可能。奨学金が取れる場合もあるでしょうから、最初から高嶺の花と決めつけず、3年課程の道も、是非探ってみてください

私が受けた相談を思い返すと、一度は准看護師学校を考え、結局は3年課程を選んだという人がたくさんいます。相談者の中で、准看護師学校に進んだ人は、ごくわずかです。

そうはいっても、ニつめのご質問のように、絶対に准看護師学校、と強く決めている人もいます。

繰り返しになりますが、私は看護師になるまでの年月と、体力的な負担を考えるとお勧めはしません。けれども、最後の手段として、准看護師学校を選ばざるを得ない人がいるのも理解できます。

ですから、熟慮の結果、准看護師学校を選んだのであれば、それもまた一つの選択です。その選択に敬意を表しつつ、卒業したらなるべく早く進学をして、看護師資格を取るようお勧めしたいと思います。

今の制度では、10年以上、准看護師として働くと、2年課程の通信制(2年)に入ることができます。通学に比べれば学業との両立は楽ですが、今の医療水準を考えると、准看護師のまま働くのは、知識の点で心もとないと感じます。

こうした限界もあってか、准看護師を採用する施設は、年々限られてきています。「どこでも働ける」資格職の利点を生かして自由に生きるためにも、看護師の資格を取るよう、お勧めしたいのです。

准看護師の給料と准看護師制度

では、准看護師を経て看護師になった人と、いきなり看護師になった人とでは、扱いが違いについては、基本給が、レギュラーコース出身者より少し安いのは事実です。こうした現実は、今もあるでしょう。

ですから、答えとしては、扱いが違う可能性は否定できない。ただし、初任給が多少違っても、管理職者になる道が閉ざされているとは限りません。私の知る限り、准看護師から看護師になり、看護管理者になった人は数え切れないほどいます。

一方、制度そのものについて言えば、准看護師制度は、これからどうなるか不透明です。

准看護師制度廃止へ進んでいる

都道府県知事の免許なので、自治体ごとに、養成への熱意も異なります。2013年時点で神奈川県知事の黒岩祐治氏は、県立の准看護師学校の募集をすでに停止しました。民間の准看護師養成施設に対する補助金も打ち切る方向としています。

知事は選挙で選ばれますから、知事が替われば政策も変わり得ます。けれども、世の中全体の大きな流れとして、准看護師制度は、時期はともあれ、少しずつ終わっていく制度だと思っています。

ですから、今から入るのであれば多少のリスクは覚悟しましよう。さらに踏み込んで言えば、組織に対して不満が生じた時に、「自分は准看護師出身だから不当な扱いを受けるのだ」と思いそうな人は、石にかじりついてでも、准看護師を経ずに看護師になった方が良いはずです。

世の中は、思うに任せないことがたくさんあり、昇進などはその筆頭です。出身学校以外にも、さまざまな要素がそこには絡むのですが、こだわりが強いほど、そうは受け止められないようです。

世の中がどうか、という以上に、ここは自分のこだわりのツボを十分に吟味し、リスクを理解した上で、決めることをお勧めします。

准看護師進学は専門学校、短大、大学の3つを選択

ここまでの私の考えをまとめると、高校卒業後に看護師になるために学校に入った方が良く、お金の工面さえつくならば、わざわざ選んで准看護師学校に入る必要はない。となりうります。

その先に話を進めると、高校を出てから准看護師を経ないで看護師の資格を取る、3年課程には、専門学校、短期大学、大学の3つの学校があります。

選べるならば大学をお勧めします

実は最もよくいただくご相談はこれのどれが良いか、ということです。

「高校三年生です。今の学力だと、専門学校しか入れそうにありません。できれば浪人はしたくないのですが、先のことを考えたら、浪人して

でも大学を目指すべきでしょうか?」というような相談を、何度かいただきました。

これについてのお答えは、准看護師学校についての話と大枠では同じなんですよね。つまり、可能であれば、大学に行くのがお勧めで、わざわざ選んで専門学校にする必要はありません。

ただ、准看護師学校とこの話の違いは、卒業後に手にする資格はどちらも看護師。短大との比較で言えば、修養年限も3年と同じで、基本的に大学への編入資格もあります。

その差は准看護師学校か、3年課程かという話以上に小さいと考えます。

それでも私が、これから入るならできれば大学が良いよ、と勧めるのは、准看護師制度よりもおそらく長い経過ではあるけれど、専門学校は終わっていく制度だろう、と思うからです。

高校生の進路を決める際、学力、財力、自宅からの距離などの問題がなければ、まず大学が選ばれる世の中です。専門学校の主な役割は、すでに大学を出て、学歴にはこだわらない社会人学生の受け入れになりつつあります。

その点では、今は大学と専門学校は棲み分けができているとも言え、思った以上に専門学校の人気は根強いと感じます。

ただ、どこまでそのニーズが続くかは不透明です。当分専門学校の役割は終わりませんが、未来があるかと言えば、なかなか厳しいと思います。

学校別准看護師学費

専門学校と大学の違いとして目に見えるのは、何よりもまず学費です。

以下は、ネットで調べた、2015年時点の、入学金を含めた初年度納入金の状況です。ただし、この他にも学校によっては、寄付など、いろいろな負担がないとは限りません。

あるいは逆に奨学金で負担が軽減される場合もあります。詳しいことは学校に問い合わせるしかありません、その点はお含み置きください。

初年度納入金の金額だけを見ていくと、専門学校は、最も高い学校で約200万円。安い学校で約30万円。一方の大学は、最も安いのが国立大学で、約100万円。私立と公立では、一番高い学校が約240万円。一番安い学校が約140万円でした。

初年度納入金について言えば、大学並みの学費を取る専門学校もあるが、大学よりも安い専門学校もいまだ多い、ということです。さらに大学の修業年限が1年長いことを加味すれば、この差はさらに開くでしょう。

専門学校の初年度納入金は、国立や公立を中心に無料が珍しくなかった私の時代とは、比較にならないほど高くなっています。とはいえ、大学に比べて専門学校の価格帯が安いのは事実です。何が何でも大学に行きなさい、とまで言うか。私は、そこまでの気持ちにはなりませんね。

選べるならば大学を勧める一方で、逆に身を削るような無理をしてまで大学にこだわる必要はない。これが私の考えです。

その一番の理由は、看護師になってからの積み重ねによって、基礎教育をどこで受けたかの差は、限りなく薄まると思うからです。

私は看護専門学校で学んで看護師になってから、主に通信制の大学で学び続けたことが、働き続ける力になったのは事実です。

けれども、私を作ってきたのは、何よりも臨床で働き続けてきた年月だとも思うのです。

改めて言うのも野暮だけど、私は大した看護師じゃありません。でも、きれい事では済まない年月を看護師として働いてきました。看護師って辛いなぁ、と思うまで働いてきたのは確かです。

だから私は、一緒に働く看護師の学歴なんて、どうでもいいと、心から思っています。その人の人生に興味があれば、学歴にも興味がわくでしょうが、少なくとも、看護師としての仕事ぶりを云々するために、学歴を問う気はありません。

そもそも、大学と専門学校にどの程度の違いがあるのか、本当にわかる人は果たしているのでしようか。

なぜなら、3年課程で学ぶ機会は、誰もが一度だけ。専門学校と大学の両方を卒業した人はいないのです。そして、受けた教育に対しては、誰もが思い入れを持っています。冷静な議論はなかなか困難です。

その上、日本は、入った学校で大きく進路が変わる学歴社会です。私も含めて、多くの人がこの考え方から無縁ではありません。この考えをどこまで肯定するかは別として、影響を受けていることは、自覚した方が良いと思います。

その上で、他人が受けた教育については、外野が決めつけない。可能性を閉ざさない配慮が必要です。これから看護師になろうとする人にとって、どの学校に入るかは未来に続く進路です。

一方、すでに看護師になった人にとって、どの学校を出たかは、すでに終わった話なのです。進路について考える時と、学歴について考える時とでは、自然にモードが切り替わります。

准看護師学歴は不問

だから、私は進路の相談には、躊躇なく可能な限り大学を勧め、すでに働く看護師に対しては、躊躇なく学歴不問!と言うのです。

とはいえ、すべての看護師が私のように考えるとは限らず、学歴へのこだわりが強い人もいます。特に看護師になるための学校は、どのコースもハードな実習があり、人との接触が濃厚だから、思い出も濃厚になります。だから他の学校を出た人に比べて、思い入れも深いんですよ。

元々人間は、自分の生きてきた人生に多くの怒りや後悔を抱きながらも、人に否定されると、最悪の場合、キレル生き物です。これは何より、私自身がそうなのであり、似たような人もたくさん見てきたので、外れはないでしよう。

看護学校の思い出は、まさにその典型。学生時代は、軍隊のような厳しさがあんなに嫌だったのに、それを他人から指摘されると、むかつくんだから、おかしなものです。

だから、「大学は実習が少ないから、実践力が弱い」と思い込んでいる人や、「大学で看護学を学んだ看護師と、職業訓練として看護を学んだ専門学校卒の人は、伸び方が違う」と思い込んでいる人にも、その考えに至る、その人なりの歴史があるのでしょう。

私から見ると、それは個人差を超えるとも思えず、たとえあったとしても、働く中で解消していくのではないかと思うのですけれど、この考えにも、専門学校で学んだ私の歴史が反映しているのでしようから、何が正しいか争う気にはなれません。

まとめ

以上、看護師になるためのコースを具体的にお話ししてきました。歯切れの悪い部分は、進路と学歴の問題を切り分けて語る難しさと思います。

いろんなことがあっても、看護師は本当に良い仕事です。多くの方に目指してもらいたい、と心から願っています。

Recommend-関連するオススメの記事-

pagetop

© 2015 おはよう奥さんの看護師日記 All Rights Reserved.