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仕事

2014.12.30 ( Tue )

認定看護師の種類と訪問看護、介護へ進むべき傾向


ナースステーションの看護師たち

医療技術の進歩、そして人々の生活の変化にともない、看護師の仕事はこれまで以上に広がっていく傾向にある。求められる看護も、高度化、そして多様化してきています。これからの看護師の仕事の可能性、そして活躍の場がどこに向かうのか、ここで考えてみます。

看護の専門分化が進む

看護師は本来、「看護」の専門職として設けられた資格です。そのなかで特定分野に対して専門的な知識や技術をもっている看護師を、スぺシャリストとみなします。専門看護師や認定看護師とよばれる看護師です。

特定分野のスぺシャリストを養成

医療の高度化が進むなか、特定分野への深い知識、経験が必要とされてきています。国家資格として定義づけられているものではありませんが、日本看護協会が認定制度を設けています。

たとえば専門看護師を例にとると、その役割は次の6つとされている。

  1. 実践
  2. 相談
  3. 調整
  4. 倫理調整
  5. 教育
  6. 研究

なかでも期待されているのは、その専門的知識を生かして、看護に関する相談役や、医師や担当看護師と患者さん、家族との間に立って調整を行うことです。これらのスぺシャリストの認定を受けている看護師のなかには、病院の特定の部署に所属せずに、独立した存在として看護部のなかに位置づけるれている場合もある。

専門看護師は教育や研究分野に活躍できる

専門看護師の役割は「特定の専門看護分野の知識及び技術を深め、保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上」を図るものとされている。2013年11月29日現在、11分野計1.044人の専門看護師がいる(日本看護協会HPによる)。

看護師免許をもつ人が、大学院で所定の単位を修め、さらに専門分野の実務経験を積んだうえで、認定審査に合格し、はじめて専門看護師の認定を受けることもできる。

認定看護師は臨床現場のスペシャリスト

認定看護師の役割は「特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて、水準の高い看護実践ができ、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上」を図るものとされている。

看護師免許をもつ人が、専門分野の実務経験を積んだうえで認定看護師教育課程を修了し、認定審査に合格することで認定看護師の認定を受けることができる。詳しくは、特定看護師(仮称)から「特定行為に係る看護師の研修制度」へ変わるを読んで頂きたい。

さらなるスぺシャリストを求める声もある

上に述べたように、専門看護師や認定看護師は、所定の経験や教育課程の修了が求められ、一朝一夕でなれるものではない。それでも、スぺシャリストの存在によって、看護師の立場が大きく変わる可能性はある。

また、スぺシャリストの存在は、ー般のスタッフである看護師にとっては心強いものとなるはずだ。もちろん、将来的なキャリアアップの方向性の1つとして考えることもできる。なお、最近の議論では、専門看護師のさらに上を行く看護師を養成するべきではないか、という声もあがってきている。

専門看護師・認定看護師の認定分野と人数

(2011年11月29日現在)日本看護師協会HPから

専門看護師 認定看護師
がん看護 432 救急看護 827 透析看護 168
精神看護 144 皮膚・排泄ケア 1928 手術看護 267
地域看護 26 集中ケア 845 乳がん看護 213
老人看護 55 緩和ケア 1483 摂食・嚥下障害看護 442
小児看護 96 がん科学療法看護 1168 小児救急看護 186
母性看護 44 がん性疼痛看護 705 認知症看護 345
慢性疾患看護 84 訪問看護 377 脳卒中リハビリ看護 386
感染症看護 22 糖尿病看護 555 がん放射線療法看護 138
家族支援 21 不妊症看護 127 慢性呼吸器疾患看護 115
在宅看護 6 新生児集中ケア 316 慢性心不全看護 132

 

地域での暮らしを支える訪問看護

訪問看護は、かかりつけ医師との連携のもと、看護師が在宅の療養者を訪問し看護サービスを提供するもので、自宅へ戻りたい、住み慣れた地域で暮らしたいという患者さんの希望を支えていく仕事です。

自宅での生活を望む人を支援する

健康保険・介護保険のどちらでもできる。訪問対象となる療養者も高齢者から小児まで多岐にわたっている。病院から在宅へ、施設から地域へ、という最近の医療・介護分野の動向もあり、訪問看護の需要は高まっている。訪問看護に興味を示す看護師も決して少なくない。

病院の忙しさのなかで忘れてしまいがちな、患者さんに寄り添うという看護の原点に立ち返る仕事と表現してもいいだろう。

1人で患者さんと向き合う、それが訪問看護師

とはいえ、訪問看護では、基本的に1人での訪問が前提となる。その場でアドバイスをしてくれる先輩と一緒、というわけにはいかない。ある程度の経験が求められる職場であり、医師との連携をとりながらも、自分で判断、決定をしていかなければならない場面も多く出てくる。

新卒の看護師がいきなり飛び込むのは、なかなか難しい仕事です。訪問看護の現場は、どこも手いっぱいのところが多く、残念ながら一から新人を教育していく余裕のない。訪問看護師をめざすなら、まずは病院などで経験を積み、それから、ということになる。

看護師が開設できる訪問看護追ステーション

訪問看護を実施しているところは病院、訪問看護ステーション、民間企業の訪問看護サービス会社など。このうち、訪問看護ステーションは、看護師自身で開設することが可能です。

数はまだ少ないですが、仲間を集め、実際に看護ステーションを開設した看護師もいます。

2011年度の時点で、訪問看護ステーションは約5,20ヶ所。1998年と比較すると2倍近くに増えていますが、まだまだ十分とはいえません。経営は楽ではなく、仕事もきつい職場ですが、大きな魅力と可能性を秘めていることは間違いのない事実です。

専門知識を生かしてケアマネジャーに

ケアマネジャー(介護支援専門員)は介護保険制度のなかで、調整役をつとめる専門職です。

介護保険制度の専門職

介護が必要な人の相談に乗り、適切な介護プランを立て、プランに沿って各サービス事業者と連絡調整をし、サービス実施状況の確認や報告をします。利用者の状態が変わった場合には、プランの変更も考えます。

ケアマネジャーは、制度に通じていることはもちろんですが、同時に利用者の状況を的確に把握し、その人がどのような生活を望んでいるか、そのためには何が必要かを理解できなくてはなりません。したがって、ケアマネジャーには、その前提条件として、医療あるいは福祉分野の専門職であることが求められるのです。

ケアマネジャーになるには実務研修を受講しなければならない

ケアマネジャーになるには各都道府県が実施する「介護支援専門員実務研修」を受講する必要があります。この研修はだれでも受けられるわけではなく、一定の資格をもつ人が実務研修受講試験に合格してはじめて、研修を受けることができます。

研修修了後、修了証明書をもらうことでケアマネジャーとして認められます。受講試験の受験資格は、

  1. 特定の国家資格取得者で実務経験が5年以上、
  2. 相談援助業務従事者で実務経験が5年以上
  3. 介護等業務従事者で実務経験が1 O年以上(特定資格取得者は実務経験5年以上)
    のいずれかとされています。

①の国家資格には、医師など(医師、歯科医師)、薬剤師など(薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師など)、福祉士(社会福祉士など)があります。

合格者の内訳は、看護職が3割以上

受講試験合格者の内訳をみると、2013年までの過去16回の試験合格者のうち、看護師・准看護師が占める割合は26.5%。保健師・助産師を含めた看護職全体でみると31.1%で、1位の介護福祉士(39.9%)に次いで多くなっている。

もちろんこの結果は、看護職全体の人数が多いこともあるが、ケアマネジャーの仕事が看護職の仕事に密接に関係していることも理由の1つといえるだろう。実際に利用者に向き合い、接することが多い看護職ならではの選択といえる。

看護医師との兼業はできる?

現役の看護師として働きながらケアマネジャーの仕事ができるかどうかは、職場の環境に大きく左右されます。たとえば勤務先の病院が介護保険事業所を併設している場合などです。とはいえ、その場合でも両方の仕事をするというわけではなく、配置転換というような形をとるようです。

実際、看護師もケアマネジャーも、片手間にできるような仕事ではない。自分が人とどう向き合いたいのか、「看護」をどのような形で実践していきたいのかそこを考えて選択することが必要である。

新しい役割、新しい看護の考え方

活躍の湯はさらに多彩に

看護師の資格を生かし、新しい役割にチャレンジしている人もいます。以下に紹介するものは、日本看護協会が看護師に向けて養成研修を実施しているものです。ほかの機関でも同様な研修を実施しているところがあります。

臓器移植コーディネーター

ドナーの家族への説明、臓器の医学的検査の手配、移植チームとの連絡、臓器運搬など、臓器移植の調整を行うコーディネーターです。養成は日本臓器移植ネットワークが行っています。コーディネーターになるのに必要な条件は、医療従事者資格(医師、看護師など)のあること、あるいは4年制大学の卒業者であることです。

CRC (クリニカル・リサーチ・コーディネーター)

治験(臨床検査)が倫理的な配慮のもとで円滑に行われるよう、被験者への説明や治験の事務的業務などを行うコーディネーターです。治験コーディネーターともいいます。特に資格は設けられていませんが、主に看護師や薬剤師が行っています

医療安全管理者

医療安全対策の立案・実行・評価など、病院全体の医療安全対策を推進する担当者。リスクマネジャーともいいます。研修を受けた看護師や看護部長、看護師長どが担当することが多いようです。専従の医療安全管理者を置くことを要件に、診療報酬に「医療安全対策加算」が設けられたことで注目されています。

看護師が診療に携わることは?

アメリカにはナース・プラクティショナー(NP)という資格があります。この資格をもつ「ナース」は、一定範囲内の診療や急性の病気の手当て、薬の処方なとの初期診療、本来なら医師のみに認められる医療行為を行うことができます。

日本国内でも、無医地区や医師不足が問題となっている都市部の医療体制を支えるべく、いちはやく養成コースを設けた看護系大学院も出始めています。確かに専門知識をもつ看護師が、自分の判断で診療や処方を行えれば、医師の確認の手順を省き、すばやい対応が可能になるでしょう。

ただ、現実的にはそこまでのノウハウをもっている看護師は限られてきます。専門看護師もそれほどの数ではない状況で、さらに看護師の業務の拡大を図ることを疑問視する向きもあり、公的な資格となるかどうかは、まだ検討段階にあります。

まとめ

看護師の活躍の場はいっそう広がり、新たな役割が期待されています。注目される動きについて、紹介します。

近頃、看護師の新たな活躍の場として、海外が注目されています。日本で何年か看護師の経験を積んだ後、海外へ行き、国際的な看護師として働きたいという人が増えてきています。

外国人看護師の必要条件などは、国によってさまざまです。日本での看護師国家試験に合格していることはもちろん、その国での看護師試験に合格すること、高い語学カがあることなど。また現地の看護学校に通い、資格試験を受験するといった方法もあります。

オーストラリアやニュージーランドは、国家試験のような試験がなく、必要な英語力と学歴・臨床経験を認められれば看護師として就職できるため、日本からも国際看護師をめざして語学留学する人が多いようです。また、アメリカのナース・プラクティショナーなどの専門職をめざし、より高度な教育を受けるために留学するという道もあります。

もう1つ、近年注目が高まっているのが、災害時の看護です。2011年3月に発生した東日本大震災直後には、全国から多くの看護師が被災地に赴き、救命・搬送活動を行いました。その後も長期にわたって、仮設住宅や自宅で暮らす被災者の健康状態の把握やメンタルヘルスケア、高齢者・慢性疾患患者のケアなどにあたってています。

今後は、災害時にニーズを集約し、必要なケアを長期的に提供できるような、災害医療(看護)コーディネーターも望まれます。全国の自治体等でも、災害にそなえた体制づくりゃ災害時のボランティア看護師の登録募集などの動きが始まっています。

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